「おはよう」

朝目覚めたばかりの俺の周りを、黒服の男が囲んでいた。

俺の真後ろには、真田がいた。

真田がぎろりと、俺を見下ろすと、

「今日から、学校まで…お前をガードする親衛隊の者達だ。挨拶しろ」


俺は、ベットから起き上がり、頭を下げた。

「こいつらは、お前の正体をしている。顔を覚えておけ。何かあったら、こいつらにきけ」

「はあ…」

まだ目覚めたばかりで、頭がぼおっとして、突っ込む元気もない。

全員サングラスをかけてるから、誰かわかるはずもない。

真田は人差し指で、眼鏡を上げると、

「40分後に出発する。一秒も、無駄にするなよ」

真田と親衛隊は、部屋を出ていった。

猫沢と俺だけになり、気まずい雰囲気の中、

どうしたものかと、頭をかいていると、

いつのまにか、猫沢は僕の後ろに回り、一瞬にして僕に布で、目隠しをした。

「着替えて下さい。もし、目隠しを取った場合」

またこめかみに、冷たい金属の感触がした。

「わ、わかりました…」

僕は手探りで、服を探し、着替えをすることにした。