「太陽様!太陽様!」

次に目覚めた時は、女の俺がいた。

女の俺………つまり、お嬢様が……いたのだ。




俺ははっとして、全身を確認しょうとしたが…

また椅子に縛り付けられており、身動きが取れない。

だけど……確認はできた。

俺は、俺に戻っていたのだ。


「綾瀬太陽…」

俺の後ろから、真田が現れた。

俺の横に立ち、人差し指で眼鏡を上げると、鋭い目で、俺を見下ろし、

「もとの体に戻った…気分はどうだ?」


「や、やっぱり…戻ったのか…」

俺の目に、涙が少し溢れた。状況はよくないけど、もとに戻れたことは、素直に嬉しい。


「太陽様…」

俺の前にいたお嬢様が、一歩俺に近づいてきた。

俺は、息を飲んだ。


茉莉は、祈るように両手をあわせると、

「如何でしたか?わたくしを体験された…ご感想は?」

「た、体験?」

俺は、意味がわからない。

茉莉は、両目をうるうるさせ、

「駄目でした?」

「だ、駄目って………?」


「あなたを愛する女の!すべてを理解して、頂くために!わたくしは、あなた様に、わたくしの体をおかししたのですか?」

茉莉は、頬を赤らめ、身をよじると、

「わたくしのすべてを、ごらんになられましたか………きゃ!」