3年振りくらいだろうか。
久し振りに入るファッションビルは店も雰囲気も何もかもが変わっていた
あれ?ここにハンコ屋さんなかったっけ?
キョロキョロしながら適当な店に入ると平日の昼にも関わらず人が溢れている。
店員も私の事は見えないかのようにおしゃれな女の子に声をかけている
あ、すっごい場違い。
ふらふらと入り口に向かいタバコを取り出す
「あ、喫煙所遠いな」
タバコをポケットに押し込んで外にでると私は深いため息を着いた
「ダメだこのままではリア充に負ける。古の文明より最恐の悪魔を召喚せねば。」
再びふらふらとした足取りで歩を進めると後ろから聞きなれない声が私を呼んだ
「みさきさん?みさきさんだよね?」
誰だ私の名を呼ぶ者は。
いかにも私が三崎乃亜だ。私の正体を知っているとは貴様ただものではないな。
振り返ると何処かで見たような男性がてをひらひらと振っている
いや、気のせいだ。私の知り合いにあんなイケメンはいない。きっと慣れないマルキューで幻覚が見えているんだ
「え、ちょっとシカト?浅井ですけど。隣の。」
一週間も前じゃない。
この前の事を思い出して少し顔が熱くなる
「あ、セックスの。じゃない、先日はすいませんでした。じゃっ。」
家の方に向き直り重い右足を持ち上げると浅井君は私の腕をつかんだ
「いや、この前はごめん。お礼したいからちょっと付き合ってよ」
いかにもチャラそうな口調で、立ち止まった私の顔を覗き込む。
「別にお礼言われるような事何もしてないので。」
浅井君は二カッと少女漫画に出てくる二次元男子のような爽やかな笑顔で答えた
「まぁ後で話すからとりあえずなんか食べようよ。予定あった?」
別に彼の笑顔に負けたわけじゃない。予定があるといえばそのまま離してくれたのかもしれないけど
家にいたら家にいるってばれちゃうじゃん。隣なんだもん。言い訳じゃないもん
「別にないですけど」
浅井君は私の腕を離してまた笑った
「よかった。じゃあ行こ?お腹空いてる?」
浅井君に再び手をとられ手を引かれるがままにその辺のカフェに入った