え、待ってマジで怖い。やだ。ヘッドホンで聞こえないことにしてスルーしようかな
もう一度鳴る
いや、リア充は悪だ。
そして私は正義。ジャスティス。私は何も悪くない。
お前らが寝てたなら謝るけどお前らだって今完全にセックスしようとしてただろ。
私がヘッドホンつけてなかったら危うくあんあんゆー女の鳴き声聞きながらえんえん泣かなきゃいけないところだったんだぞ。
お前らのセックス音では絶対オナニーしない。
ビールを持ったままドアを開ける
「はい」
ダボダボのTシャツを着てショートパンツを履いた女が腕を組んで立っている
もちろん、最中だったわけだから髪の毛もボサボサだし化粧もよれよれ。
こんな女と寝て何が楽しいんだよ男の方は。
ブスだし。私より。
「ちょっと良い加減にしてくれない?隣の部屋のものですけど、今ダサい曲歌ってたのあんた?」
ヤバい。スーパー怒ってる。
激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームなんですけど。
「そーですけど。ダサくないので。私と同年代の女の人なら誰もが懐かしいと思うような名曲ですけど。」
女が髪を耳にかけて私を睨みつける
「今寝てたんだけど、あんたのキモい歌声で起こされたの。うるせーんだよばばぁ。」
くっそゆとりめ。
私もゆとりだけどな!
「セックスしてたんだろうが。酒くせーよクソガキが」
私がボソッと呟くと女の頭から煙が吹き出して見えた
あ、殺される。
「ははっ。ミサもういいじゃん。寝ようよ」
女の後ろから声がして男が顔を出す
「は?今の聞いた?まじなんなのこのクソババァ。」
「すいません。あ、挨拶してなかったけど俺、隣に引っ越してきた浅井です。よろしくー。じゃ。」
バタンとドアが音を立てて閉まる
ちょっと待って。
超絶イケメンが上半身裸で私の目の前に現れたんですけどなにこれこれなんてエロゲ?てかあのブスちょっと待てこのイケメンとあんなことやこんなことをしてたってのか。ごめん前言撤回あなたのセックス盗み聞きしてこれからオナニーさせてください。
っていうか
「引っ越してきたのあの人だったんだ」
浅井。何君なんだろ。素敵だなぁ。
毎日違う女はべらかしてくらえ俺のマグナムリボルバーとかバイオ的な人生送ってるんだろうな。グレネードランチャーかもな。やだ、素敵。
それが私と浅井君の出会いだった


