「何でいんだよぶす」
え、怖いなにこの人。
「いや、乙女ゲームが欲しくてフラフラしてたら猫耳つけた美少女が僕を夢の国へと誘ってくれたと言うだけのことですすいません」
浅井君が私のことをぶすだなんて言うはずがない何かの間違い。
「なんだ。じゃ。」
「いやいやいやじゃ。じゃなくてさ。ご飯は?」
尻尾を振って浅井君を見上げるとキラキラの笑顔で応えた
「いかねーよバカ俺は俺で買い物しに来たの邪魔しないでとっとと家帰ってオナニーでもしてろ☆」
私の知ってるツンデレと違う。
「ね、ねぇ。浅井君の買ってくれた服着てみたんだ。どうかな?」
精一杯の上目遣いでもう一度見上げて見る
「うん。似合ってるよ。可愛い。服は。でも眉毛濃いアイライン太いチーク濃いオカメみたい。」
漫画だったら今鉄球とかが私の上に降って来てると思う。
なんか重い。痛い。辛い。
「あはは。ごめん帰るね。帰ってオナニーして寝るね。」
片思いってこんなに過酷なんだっけ?
こんなに痛いんだっけ?
無表情に笑うと私は踵を返して駅に向かう
その時涙が溢れ出してたことに私は駅に着いてから気が付いた
周りの人が振り返って私を見てるのは私が可愛いからじゃなかったのか
普段電車に乗らない私はSuicaとか画期的な発明品は持ち合わせていないので切符を買った
その切符に雫が落ちた
あ、泣いてたんだ。
私の痛くて長い片想いはまだ始まったばかりだ


