突然現れた隣のイケメンに乙女ゲームの予感を感じた私は今秋葉原に来ていた


日曜日はお休み


普段は昼間出歩くとリア充と陽射しの眩しさで溶けて死ぬと思っているので出歩かないがこの街はまた別だ。


昼間でもリア充の発生率が低く私でも辛うじて眩しさに耐えられる街なのだ


ただボーッとPCゲームを眺める。

乙ゲーは池袋の方が充実しているのか?否、そんなことはない。ここは私の様な古の力を操る人間、いや、人間ならざるものが集まる新都市ではないか。


目を回しながら猫耳にメイド服の美少女にうっかりついて行く


「お帰りなさいませお嬢様。」


ぐほ。美少女の微笑みにハートを射抜かれる

「い、今戻った。こ、このカクテルを用意してもらえるかな。」

明らかにメイドの顔が引きつったのを私は見逃していないそんなの見えなかった。

苦笑いでメイドが酒を運んでくる


「お待たせいたしました」と奇怪な色をしたカクテルが私の前に置かれる


マドラーでそれを混ぜると奇怪な色が姿を変えて邪悪などどめ色になる


「混ぜなきゃ良かった」


奇妙などどめ色を啜るとメイドが話しかけてくる


「お嬢様はここ初めてですか?」

くっそ甘い。罠か。今です。ってやつか。今でしょ!ってやつか。

「え、あぁはい。メイド喫茶自体初めてです。」

メイドがさっきの私の発言は夢だったと言う様に事実を夢だったことにして話し出す


「お嬢様めちゃめちゃ美少女で私はすはすしちゃいました!そのひらひらとか何処で入手するんですかぁ?」

ここにも奇怪な敵がいた。
美少女の皮をかぶった悪の化身だな己。見くびりおって。


「えっと、なんか突然現れたイケメンがイチマルキューで買ってくれました」


文字にして書き出すと現実味が凄く薄れる。


「え!?それなんてエロゲ!?ヤバイですね!そのイケメンさんは今日はご一緒じゃないんですかぁ??」

「いや、もうあれが現実なのか夢なのかもよくわからないんです。」


なんのお悩み相談室だよ。
精神科池ks。

「いいなぁ。みるくもあってみたいですぅ。」

みるくというのはお主の名か。クレイジーだなこの世界は。それと小さい文字語尾につけるの辞めてくれ可愛い。


「超絶美少女なお嬢様がイケメンて言うぐらいだからすっごいかっこいいんでしょうね!芸能人とかだと誰に似てますぅ?」

私をさりげなく褒めたつもりかもしれないが私よりイケメンの方に興味がありすぎる感じが見え見えです。みるく、お前も女だったか。可愛いのに。可愛いのにくそっ!


「えっと、誰かな。ジャニーズって感じじゃないんだよね。三浦春馬と佐藤健を足して二でいや、さらにオダギリと生田斗真を足して、あ、あそこ。あのカウンターの端に座ってる人みたいな、感じ。うんあの人。え?」


「え?」

私のえ?に被せてメイドが繰り返す


さらに私も繰り返す


「え?」