「買ってもらってしまった」
ファッション用語は私はわからないのでこれがなんと言うものなのか知らないが
なんかひらひらしたトップス(これが私の最上級のファッション用語)とタンクトップ、さらにはなんかキュロットスカートみたいなやつ(確かなんか最新の呼び方あったはず)。
ジャケットは自腹だけど。
完全にペースに飲まれてしまっている。
このままでは敵の思う壷だ。
浅井君が何を考えていてなんでこんなことまでしてくれるのかはよくわからないけどとにかくこれが乙女ゲームでも無ければ夢でも無くて、なんと私の妄想ではないことも確かだ
何故なら盛大な片想いのスタートを切ったからだ
妄想だったらもう多分付き合ってる。
「ちょっと着てみようかな」
実家にあった一昔前流行ったみたいなデニムを脱いでドン・キホ○ーテで仕入れたストッキングに足を通す
スカートを履いて古着屋で買った1500円のトレーナーを脱ぐ
中から出てきた高校時代に好きだったアイドルのライブTシャツも脱いだ
浅井君が買ってくれた服に袖を通してジャケットを羽織る
くるぶしが隠れるくらいの靴下を履くと立ち上がって姿見の前に立った
「まじか。我ながら割と可愛い。」
鏡の中の自分に視線を落とすと私は少し口元を緩ませた


