「どうしても緊張するなら、何か別のことを考えたらいい。」

「別のこと...ですか?」

「あぁ」

別のこと...。なんだろう

「せ、先輩なら...なにを考えますか...?」

「おれ?」

「はい。私は何を考えたらいいか思いつかないので...先輩なら、なにを考えますか?」

私、人見知りなんだっけ...。
どうしてこの人の前だとこんなに話すことができるんだろう。

「俺だったら...食い物のこととかかな。」

「食べ物...ですか?」

い、意外...。
こんなに見た目はチャラチャラしていかにも不良って感じの人なのに。
考えてることはほかの人とそんなに変わらないんだ..。

「ぷっ」

「...なんだよ」

あっ、笑っちゃった。
すっごい眉間に皺よっちゃってる...。こわいなぁ...

「ご、ごめんなさい...。」

やっぱり男の人は苦手だよぉ...。

「別にいいけど。なんで笑った?」

顔がまだ怒ってますよ...。

「み、見た目と性格が合ってなかったっていうか...ギャップがあったので...」

い、いっちゃった...。
余計に皺寄っちゃったよ..。

「ふっ」

「え?」

笑った??

「ダチにもよくいわれるんだ。性格と見た目があってない。って」

「そーなんですか」