授業が終わると私は荷物をカバンに詰め込んだ。


詰め込み中ポケットの携帯(スマホ)が震えた。


「はいはーい。」

《機嫌いいわね》

「あっ蘭子‼」

《そう、蘭子よ》


携帯の向こうの蘭子は機嫌が悪そうだ。

「どうしたの?」

《親が帰ってこいって言うからちょっとだけ行ってくる

 もしかしたら止まるかもしんないから寮に帰らないかも》

「うん、わかった、楽しんできてね」

《楽しみたくないわよあんな家。

  とにかく、ちゃんと戸締りしてね》

蘭子ってお母さんっぽいな…。


デキるお母さん。


《ちょっと、あんた今変なこと考えてるでしょ》

「か、考えてないよっ!」


考えてましたとも、でも言えないからっ!

《まあ、いいわ。とりあえずよろしくね》

「うん、ばいばーい」


通話を切ってから私は鞄を持って寮へと向かう。


ほとんどの人がこの学校…あ、学校っていうのは、

聖華学園(セイカガクエン)のこと。


この聖華学園は、校舎はお城のようで寮は屋敷をモデルに

作られた、いわゆる金持ち学校というものだ。


この学園に通ってる人のほとんどは、政治家の息子娘や


大手企業の子息など、さまざまな金持ちが存在する。

もちろん、ヤ〇ザの方々のご子息もいらっしゃる。


そんな金持ち学園の寮は、二人で一部屋になってる。


つまり私と蘭子は同じ部屋。


もちろん、男女は別々になっている。


男女別々じゃなかったら訴えられてるなこの学園…