今日も雨か…


洋一と逢う日は決まって雨…

でも、そのほうがいい…


普通の恋人同士みたいに、手をつないだり…
腕を組んだり…

そんな事したいわけじゃない…


「俺、いつも家に帰るの夜中なんだ…勿論仕事も忙しいんだけど…」


「ふーん、忙しいのは良いことじゃない」

「もうずっと、幸子とはセックスレスだし…今朝電話で泣かれちゃったよー全然帰ってこないし、話も聞いてくれないって…」


「そう、帰ればいいじゃん今日だって…」


私は冷たく言った…

「でも俺は和美に逢いたいんだ…和美と一緒にいたいんだよ…」


私は何も言わなかった…
だって、何を言われても心に響いてこないんだよ…

「ねえ、来週の日曜日朝から出掛けないか?たまには遊びにいこうよ。」


「…いいよ。暇だったらね。」


私は、けして自分からは誘わない…電話もしない…

これは私が最初にきめた事…


私は常に自分の逃げ場を作っておく…いつ何があってもいいように…


ずるい女なんだ…