大樹の彼女の里沙ちゃんという子がここに来るらしい。 電話の声が大きくて丸聞こえだった。 ーーーーーーーーガラッ。 ドアが開いた。 「叶多!もうっ。どっか行くときはメモぐらい残しなさいよ!」 凄い勢い。こういう、友達思いの女は嫌いじゃない。 「ご、ごめんなさい……。」 少し、叶多が怖じけづいていた。