秋風が少し寒く、そっとそれが体を包み込む。

僕は、彼女をいつも想い、互いに依存しすぎていたのかもしれない。




悠斗(ゆうと)、僕の名前。




玲奈(れいな)、僕の元カノの名前。




別れた時、彼女の言葉はこうだった。



「私たち、このままじゃ、駄目になる」



僕は尋ねた。何が駄目になるのかと。将来についてなのか、それとも僕に嫌気がさしたのか。
、とにかく質問を浴びせた。



でも、この瞬間に僕らは終わっていたなんて知るわけもなかった。



玲奈は僕を、泣いて赤く腫らした目で見上げた。



「もう無理。悠斗はもう私を愛してない」



そんなことないと、僕は言った。いや、正確にはもっと恥ずかしい事を言ったのかもしれない。



玲奈は僕を、見ながら、ペアリングを外し、テーブルの上に置いた。



すべてが、終わりを告げ、崩壊した瞬間だった。



取り残された自分とリング。君が形として残したモノ。