「反省してないのに、何書けってゆーの?」
私は指先でシャーペンをクルクル回しながらふてくされた声を出した。
「知らない」
お互い怪我をした訳でもなかったので、とりあえず長い反省文を書くことで謹慎処分は免れるらしい。
私と杏奈は、職員室のすぐ隣にある生徒指導室に監禁され、反省中。
反省文しだいで停学もありうるって脅されたんだよなぁ。
でも、杏奈はともかく、私は何を反省すればいいのやら。
リズミカルに回転するシャーペンとは裏腹に、狭い生徒指導室の重苦しい空気。
目の前の作文用紙は未だ白紙のままだった。
隣はすぐ職員室だから、何かあったら先生が飛んで来るらしい。
こんな暗くてジメーッとした部屋に杏奈と2人きりで、いい反省文なんて思いつくはずない。
出てくるのは、さっきの長谷川大樹の顔を思い出してのため息ばかり。
絶対軽蔑しただろうな。
思いっきりビンタしちゃったし。
いつから見てたんだろう。
くるくる回っていたシャーペンが指から落ちて杏奈の手元に転がって行った時、
「いい加減、何か書けば?」
作文用紙をもう半分くらい埋めた杏奈が言った。

