Bloom ─ブルーム─

私はもう一度杏奈に向き直ると

片手を振り上げ、思いっきりビンタしてやった。

パアァンッ!!と気持ちのいい音が響き渡る。

どうせ手をあげなくてもビンタしたことにされるなら、こっちの方が断然お得でしょ?

ムカムカしてた気持ちが一気に晴れたし。

「こぉらっ!何やってる、平澤!!」

「すいませんでした」

私は少しも反省 してませんけど、という口調で口先だけの謝罪をする。

それにぶちギレたのか、すくっと立ち上がった杏奈がいきなり私にビンタしてきた。

パアァァンッ!!

さっきより大きな音が響き渡る。

「卑怯な杏奈らしからぬ行動じゃない?」

「言われっぱなし叩かれっぱなしってのもムカつくから」

「先生見てるよ?」

「もう、いいよ別に」

睨み合う私達を、同罪と見たのか、先生は私と杏奈の腕をつかむと生徒指導室へ向かう。

「はい、解散解散、教室戻りなさい」

さっきより増えた人だかりを追い払いながら。

その人混みの中に、長谷川大樹の顔を見つけてしまった。