「だいたいね、自分が中途半端だからみんなを傷つけただなんて、自意識過剰もいいとこ。友里亜がおとなしくいいこにしてたら誰も傷つかないと思ってるの？

世の中友里亜中心に回ってるわけじゃないんだから、友里亜がそのままおとなしくしてたって、傷つく人はやっぱり傷つくんだよ。

時には誰かを蹴落としたり、何かを犠牲にしながら欲しいものをつかみとって行くしかないんだよ。

悲しいかもしれないけど、それが嫌だからって逃げる人を私は好かない。例え友里亜でも」

私だって嫌われるのも傷つけるのも本当は怖いんだ。

だから、友里亜の気持ちは痛いほどわかる。

怯えて逃げたくなる気持ちがすごくわかる。

けど、そんなんじゃ、友里亜はいつまで経っても幸せになれないじゃない？

「傷つけて傷つけられても、それでも大事なものつかみとってよ。友里亜の人生でしょ？友里亜だけの人生でしょ？何で誰かに遠慮しなきゃならないの？

友里亜にしか歩けない道なのに。

でも、杏奈みたいな汚いやり方で蹴落とそうとする人はもっと好かない！」

あれ？私は蚊帳の外？みたいな顔してた杏奈がびくっとした。