堪忍したのか、友里亜はそっと自分の携帯を差し出してきた。

その画面には、登録してないアドレスからの大量のメールが示されてる。

「誰から？」

「わかんない」

「見てもいい？」

私は友里亜の返事を待たずにメールを開いた。

そこには、友里亜を罵る言葉ばかりがズラズラと並んでる。

どのメールも、目を背けたくなるような内容ばかり。

昨日の夕方から 5分置きに受信されたそのメールは100件にも及んでいた。

「何、この暇人」

「全部読んだらね、直人を好きな女の子からなんだってわかったの」

確かに直人との間を非難したり、直人を庇うような言葉が多々あった。

「中途半端な私のせいで、いっぱい人を傷つけちゃった。きっと山本先輩をすごく好きな人だっていっぱいいるだろうし、私はもう、ひとりでいいの。

好かれたいとか付き合いたいとか思わないから、せめてこれ以上誰も傷つけたくない」

焦らずにいようって言ったのは、そのせい？

誰も傷つけない為に、おとなしくしてようって、そういう事？