「もう!バカなんだから!私が直人を好きだなんてあるわけないじゃん!」

そりゃ、2人がくっつくと寂しくなるなーなんて思ったし、入学当初ちょっとだけときめいた瞬間を思い出して感傷に浸ったりはしたけど。

それとこれとは話が別!

「じゃあ、なんで告白したの?」

「だから!直人が煮え切らないのにも苛立ったし、友里亜が山本先輩に捕まって、直人の助けを待ってるように見えたから、あーするしかなかったんだよ」

「──そー……なの?」

ガラガラッ。

教室の扉が開いて、登校してきた直人が顔を出した。

「おー、直人!振られ組で仲良くやろーぜ」

友里亜に振られた男子達が直人を呼び寄せた。

「近くにいても、所詮庶民の俺らには高嶺の華なんだよ、な?」

友里亜に丸聞こえですけど?

友里亜は申し訳なさそうに俯いていた。

直人はもう私達の方に視線も向けないし、挨拶すらしに来ない。

「友里亜、ちゃんと自分の気持ち伝えなきゃダメだよ」

私は立ち上がり、直人に声をかけようとした。