Bloom ─ブルーム─

「1度だけとか言うなよ。何度でも歌うから。来年の誕生日も、また里花の為に歌うよ」

「誕生日?」

もしかして、あのライブの時の声は、本当に私のためにくれたものだったの?

そう思った時、「次は何の曲がいい?」ってミサンガを揺らして、あの時みたいに汗を拭くフリをした。

昨日私がほどきかけたミサンガは、きつく結び直されてる。

「そうだ、あの歌作ったんだよ。昨日仕上げて、本当は公開しないつもりだったんだけど」

「あの歌?」

先輩は1度私の手を離すと、鞄からノートを取り出し、私の言葉を書き込んだページを開いて見せてくれた。

『ここの季節が変わるときを、一緒に見よう』

その続きに歌詞がたくさん埋まってる。



その歌詞をひとつずつ辿ると、そこには──……








オバケの忘れ物と花火


     チャリと坂道の甘い香り


  鍵とFRISKと恋バナ


           友達と屋上の約束


真夏のミサンガと夢


     雨の誕生日とライブハウス


   妹と向日葵のオマジナイ







私達の夏の思い出があちこちに散らばっていた。

そして、未来の約束も。








     紅葉と虹とひこうき雲