Bloom ─ブルーム─

下から聞こえてた、青春してるみんなのざわめきが一瞬消えたかと思った。

耳を澄ませば、変わらずたくさんの笑い声や話し声が聞こえてくるのに。

ドクンッドクンッ鳴り続けてるはずの心臓も。

一瞬、止まったかと思った。

「……ドッキリ?」

そうだ、これはもしかするとドッキリなんじゃない?

賭け事の好きなみんなは、里花が落ちるかどうかで千円!なんて、賭けてるんじゃない?

いつものように。

振り向けばみんなが私の答えを待ちわびていて、それでドキドキしてる私を笑い飛ばすんだ。

健さんも「引っ掛かった!」なんて、ブハッて吹き出して。

それで……。

後ろを振り返り、ドアの辺りを確認する私に

「ぶっ」

と吹き出したのは、健さんでもドラムでも山本先輩でも杏奈でもなく。

大樹先輩だった。

「こんなドッキリ仕掛けると思う?」

「でも……」

「余裕、あるように見える?」

先輩は私の手を取ると、そのまま自分の胸に押し当てた。

トクトクトクトク……

速すぎる鼓動が、私の手に伝わってくる。

昨日先輩の腕の中で聞いたのと同じ、トクトクトクトク……。

「ほ、んと?」

「本当」

「ほんとに本当?」

「本当に本当」

「ほ、本当の本当に……」

本当?って聞こうとしたら、「しつこい」って言葉と同時に、先輩は私を引き寄せた。

けど、その腕の中に包まれかけて、解放される。

「まだ、返事聞いてないんだった」

そして、手を離す先輩。