Bloom ─ブルーム─

「俺、ちゃんと母さんと妹と家族やってみようと思うんだ。それで、高校もちゃんと卒業する。

だから、それまではこの町で歌い続けるつもりなんだけど。

でも、その後のことはまだわかんないんだ。

好きな子より自分の夢を取るかもしれない。

誰がひき止めても、振り払ってここを出てくかもしれないし。

そしたら……また泣かせるかもしれない。

もしかしたら夢なんて簡単に散って、普通に公務員とかやっちゃってるかもしれないけど」

そう言って、先輩はまた少し笑った。

「自分でも先が見えないから、里花の為にも諦めた方がいいのかもって考えたし、いつか遠くに行くかもしれない奴がここで恋愛する資格なんかないのかもしれないけど。

だから、こんな告白も迷惑でしかないかもしれないけど。

でも、やっぱり他の奴に渡したくなかったんだ。

勝手だって、自分でわかってるんだけど、今は里花にそばにいてほしい。

友達としてじゃなくて」

黙って聞いてる私に、彼が言う。














「里花のことが、好きなんだ」