「けど、あんな風に抱きつかれたら突き放せなくて。それで、涙を見たら別れた時の事を思い出したんだ。
あの時、こんな風に泣いてたのかなって。どれだけ傷つけたんだろうって。
そうやって考えてたら……今からやり直すことも出来るのかなって、正直、揺れた。
それで、結局あの時ナナにも中途半端なことしたんだけど」
「はい」
私は痛む胸を抑えて、先輩の話に相づちを打つのがやっとだった。
「けど……こんな事言っても、もう信じてもらえないかもしれないけど、それでもどこかで俺は里花の反応を気にしてて」
「ふぇ!?」
途中まではナナさんの恋バナと諦めて、相談を受ける気持ちで聞いていたのに、そこに突然私の名前が登場するものだから、驚いて変な声を上げてしまった。
慌てて手で口を押さえる。
顔をあげたら簡単に先輩とぶつかる視線。
見えた先輩の顔は少しだけ強張っていた。
「泣いてるナナをなだめながら、もしかしたらこれを見て里花が泣いてるかもしれないって考えてて。
そう思うとナナの涙より、ずっとキツいなって思っちゃって。
気づいたら、目の前のナナより、走ってく里花の背中を見てて。
そしたら俺、里花の名前呼んでたんだ」
「……」
私の、名前?
あの時、本当に呼んでくれたの?
たまたまなんかじゃなく?
でも、きっとただ良心が痛んだから、なんだよね?
あの時、こんな風に泣いてたのかなって。どれだけ傷つけたんだろうって。
そうやって考えてたら……今からやり直すことも出来るのかなって、正直、揺れた。
それで、結局あの時ナナにも中途半端なことしたんだけど」
「はい」
私は痛む胸を抑えて、先輩の話に相づちを打つのがやっとだった。
「けど……こんな事言っても、もう信じてもらえないかもしれないけど、それでもどこかで俺は里花の反応を気にしてて」
「ふぇ!?」
途中まではナナさんの恋バナと諦めて、相談を受ける気持ちで聞いていたのに、そこに突然私の名前が登場するものだから、驚いて変な声を上げてしまった。
慌てて手で口を押さえる。
顔をあげたら簡単に先輩とぶつかる視線。
見えた先輩の顔は少しだけ強張っていた。
「泣いてるナナをなだめながら、もしかしたらこれを見て里花が泣いてるかもしれないって考えてて。
そう思うとナナの涙より、ずっとキツいなって思っちゃって。
気づいたら、目の前のナナより、走ってく里花の背中を見てて。
そしたら俺、里花の名前呼んでたんだ」
「……」
私の、名前?
あの時、本当に呼んでくれたの?
たまたまなんかじゃなく?
でも、きっとただ良心が痛んだから、なんだよね?

