Bloom ─ブルーム─

そして「はぁーっ」と大きなため息をつきながら、しゃがみこんだかと思うと、今度はすがるような瞳で私を見上げた。

「先輩?」

今、何を考えてるの?

疑問だらけのまま見下ろす私の瞳が泳ぐ。

先輩はそんな私の手を引っ張って目の前に座らせた。

間近の瞳が、眩しすぎる。

そして、その視線に捕らわれて動揺の頂点な私に、

「恋バナ、してもいーデスか?」

彼は、いつか言ったのと同じ台詞を口にした。

一気に力が抜ける。

なんだ……。

また、ナナさんの恋愛相談?

また利用されるの?

「……どーぞ」

私は視線を下げて答えた。

花子……だもんね、私。

キューッと胸に痛みが走った。

「ライブの日、俺、ナナを見て焦ったんだ。久々だったし、懐かしさもあって。だから、里花の目も見れなくて。

どんな風に歌ったのかも、覚えてないくらい、動揺してた」

「はい」

「けど、ナナを目の前で見たらなんか違ってて。

うまく言えないけど……ドキドキの質が変わってたって言うか……。

それにあの時、健と付き合った半年を否定された気がして、そっちの悔しさの方がずっと大きかったんだ。

もう少し健の気持ち考えろよって。健はこんなに想ってるのにって」

「は……い」