Bloom ─ブルーム─

「なのに、今日に限って急いで教室飛び出してくから、マジで焦った」

そう言われてまたハッとした。

チラホラ下校する生徒が姿を現し始めてる。

2人が来ちゃうよ。

「ね、今日はちょっと急ぐ──」

「──き合ってくれないかな?」

さっきまではもじもじしてたはずの高橋君は、私が話し出すと突然それを遮って声を張り上げた。

「え?今、なんて?」

「あの、俺と……付き合ってほしいんだけど」

唐突な出来事に、頭が追い付かない。

「高橋君と?な?なに?」

ど、どどどどういうこと?



「ぶはっ」

その時、なぜか上の方から吹き出す声が聞こえてきた。

嫌な予感。

も、もしや?

恐る恐る靴箱の上を見上げると、そこから顔だけ出してこっちを見てる健さんが笑いを堪えてる。

その隣にドラム。

さらに隣に山本先輩。

そして、杏奈。

「あ、杏奈ぁ?なんで?」

「実は昼休み、廊下でバッタリ健先輩に会った時に、一緒にラーメン屋さんに行かせてもらえるようにお願いしておいたんだ。

今朝のあんたの様子だと、絶対気が向かなそうだったし」

杏奈おきまりのドヤ顔。

なんだ。1人でなんとか出来るなら、私がいなくても大丈夫じゃん!

「でも健先輩に、山本先輩とのこと協力する代わりに里花も連れて来いって言われてたから、教室にあんたいないから焦ったよ」

私を連れて来い?

健さん、なんで?

ここまで来てもまだ、逃げる私を許してくれないの?