Bloom ─ブルーム─

「絶対泣いてるよ、アイツ」

プッと吹き出す健さん。

けどすぐに真顔になると

「ライブの日も、直人に完敗だったしな」

なんて言い出した。

「ライブの日?」

「あれ?聞いてない?友里亜ちゃんが里花を追いかけてった時の話」

「私を追いかけた?」

そんなこと、友里亜1言も言ってなかった。

でも、確かに携帯充電切れてたし。翌日の電話ではひどく心配してくれてる風が伝わった。

そうだ、風邪……。

もしかして、あの雨の中、私を探して走り回ってくれてたの?

傘待ってたはずなのに。

傘をさすことも忘れて?

「勇も、友里亜ちゃんいないのに気づいて、慌てて周りの子に聞いたら、友達追いかけて行ったよって言われたらしくて。

だから多分里花のこと追いかけたんだと思うんだけど。

で、勇も探しに出たんだけど、見つけた時にはなぜかびしょ濡れの友里亜ちゃんを直人ってやつが保護してたんだって」

「直人が?」

「うん。それで、2人の間引き裂いて、友里亜ちゃんを連れて帰ったらしいんだけど」

だって、直人はライブに来てないはず。

あ、でもそう言えば、あのマックの近くに直人のバイト先のコンビニがあったかも。

「帰りはずっと無言だったみたいで、その辺りからあいつらギクシャクし始めてたんだよね。

夏休み中もなんだかんだ理由つけて会ってくれないって、勇、落ち込んでたし」