ライヴハウスを出ると、またひどいどしゃ降りに変わった雨が私の体を容赦なく打ちつける。
傘をさす人混みに視界を遮られて、健さんの姿をあっさり見逃してしまった。
けど、絶対に見つけてとっつかまえてやる。
私まで道づれにしたこの代償は大きいんだから。
走って駅の入口まで行くと、ずぶ濡れのまま携帯を開いた。
充電が残り僅かだ。
私は慌てて着信履歴を検索した。
──あった。
健さんが、ライヴハウスに行く前にかけてきた番号。
そのまま迷わず通話ボタンを押す。
なのに、なかなか繋がらない健さん。
5コール目で留守電に切り替わる。
ビビッビビッと携帯が震え、『充電してください』の文字が画面に表示された。
それでもかけ直し、留守電で切り、またかけ直すというのを繰り返すと
『しつこいよ、キミ』
6回目の電話でやっと健さんのふてぶてしい声を聞くことができた。
「ずるいですよ、健さん」
『何が?』
「健さんが振られるのは勝手だけど、私まで道づれにする事ないじゃないですか!もう、どこにいるの?せめて一緒に帰ってくれないと泣いちゃうかもしれないじゃないですか!」
傘をさす人混みに視界を遮られて、健さんの姿をあっさり見逃してしまった。
けど、絶対に見つけてとっつかまえてやる。
私まで道づれにしたこの代償は大きいんだから。
走って駅の入口まで行くと、ずぶ濡れのまま携帯を開いた。
充電が残り僅かだ。
私は慌てて着信履歴を検索した。
──あった。
健さんが、ライヴハウスに行く前にかけてきた番号。
そのまま迷わず通話ボタンを押す。
なのに、なかなか繋がらない健さん。
5コール目で留守電に切り替わる。
ビビッビビッと携帯が震え、『充電してください』の文字が画面に表示された。
それでもかけ直し、留守電で切り、またかけ直すというのを繰り返すと
『しつこいよ、キミ』
6回目の電話でやっと健さんのふてぶてしい声を聞くことができた。
「ずるいですよ、健さん」
『何が?』
「健さんが振られるのは勝手だけど、私まで道づれにする事ないじゃないですか!もう、どこにいるの?せめて一緒に帰ってくれないと泣いちゃうかもしれないじゃないですか!」

