「うん。正直な気持ちを書いたんだけど……。その後も、何度も電話しようとしたんだけど出来なくて。時間ばっかり経ちすぎて、きっかけもなくなっちゃって。
たまたまバンドやってるっていうのを耳にして、これが最後のチャンスかもって思って、それを理由に電話しちゃったの。
でももしかしたら、バンドやってるからやり直したいって言ったと勘違いされたんじゃないかって考えたりしていて。
健に遠慮したからなのかも、とかも思ったりして。
だから、健のくれたこのチャンスを逃しちゃダメだと思って、ここに来たの。
これで最後にするから、大樹君の本当の気持ち教えて?
私は初めて大樹君を見つけた時から、ずっと好きだった」
精一杯の告白を終えて、不安そうに大樹先輩を見つめる、ナナさん。
なんだ。
“ボーカリストと付き合いたい”って聞こえたなんて、ただの勘違いだったんだ。
それなら、きっともう大樹先輩の中での答えは決まってるはず。
でも、大樹先輩は何かが腑に落ちないというような表情をしていた。
「健と……付き合ったよね?」
「そんなの、俺が勝手に弱みにつけこんだだけだよ。悔しくてお前には教えてやらなかったけど」
彼の質問に答えたのは、寂しそうな健さんだった。
健さんを見て、またナナさんを見る大樹先輩。
「今朝、健にも、やっぱり大樹君のことしか見れないってちゃんと伝えたの。付き合った時は本当に支えてもらって、それはすごく感謝してるんだけど、でも健は私にとってやっぱり友達で……」
黙って聞いてる大樹先輩。
ブランと下ろしたままの腕にはミサンガが力なく寄り添っている。
一瞬だけ私と絡ませた視線も、すぐにそらした。
「俺は……」
たまたまバンドやってるっていうのを耳にして、これが最後のチャンスかもって思って、それを理由に電話しちゃったの。
でももしかしたら、バンドやってるからやり直したいって言ったと勘違いされたんじゃないかって考えたりしていて。
健に遠慮したからなのかも、とかも思ったりして。
だから、健のくれたこのチャンスを逃しちゃダメだと思って、ここに来たの。
これで最後にするから、大樹君の本当の気持ち教えて?
私は初めて大樹君を見つけた時から、ずっと好きだった」
精一杯の告白を終えて、不安そうに大樹先輩を見つめる、ナナさん。
なんだ。
“ボーカリストと付き合いたい”って聞こえたなんて、ただの勘違いだったんだ。
それなら、きっともう大樹先輩の中での答えは決まってるはず。
でも、大樹先輩は何かが腑に落ちないというような表情をしていた。
「健と……付き合ったよね?」
「そんなの、俺が勝手に弱みにつけこんだだけだよ。悔しくてお前には教えてやらなかったけど」
彼の質問に答えたのは、寂しそうな健さんだった。
健さんを見て、またナナさんを見る大樹先輩。
「今朝、健にも、やっぱり大樹君のことしか見れないってちゃんと伝えたの。付き合った時は本当に支えてもらって、それはすごく感謝してるんだけど、でも健は私にとってやっぱり友達で……」
黙って聞いてる大樹先輩。
ブランと下ろしたままの腕にはミサンガが力なく寄り添っている。
一瞬だけ私と絡ませた視線も、すぐにそらした。
「俺は……」

