もう、私は蚊帳の外だ。

わいわい言い合ってる4人を見ながら、私と友里亜はその後ろを一緒に歩き出した。

見慣れてる4人も、私服になっただけで妙に新鮮だ。

初めて学祭のライブを見た時みたい。

『俺らに触れるとケガするよ?』的な。

そんなオーラを放った4つの背中が目の前を歩いてる。

ラーメン屋で笑ってた人達と別人なんじゃないかとさえ思えて、一瞬見せた大樹先輩の横顔を確認して胸を撫で下ろした。

多分初対面の人は、この人達がアミダくじで盛り上がったり、掛け算の九九を間違えたり、メロンとスイカで大喧嘩したり、変なおじさんメイクで写真撮ったりするなんて想像もしないだろう。

そう考えると、少しだけ優越感。

「なんだかみんなカッコいいね」

そう感じるのは、私だけじゃなかったみたい。

友里亜も、いつもより女の子の顔で耳打ちしてきた。

「そうだ、友里亜、デート、どうだった?」

「あ、う……ん」

私の質問に、友里亜の顔が今度は“女性”になった。

本当に、キレイだなぁ。

私も頬染めて「この髪は大樹先輩の為に頑張ったよ」なんて言ったら何かが変わったりするんだろうか。

いや、ダメだ。

想像したら気持ち悪いし、それに対する大樹先輩の返答も「なんか変な薬飲んだ?」的なものしか思い浮かばない。

「今日ね、デートの予定だったんだけど、あいにくの天気だったから、勇君の家に行ってたんだ」

「家?だったんだ?」

「うん。それでね、あの……しちゃった」

「は?」