「あ、友里亜、おはよう」

「……結構前からここにいたんだけど、里花全然気づかないんだもん。里花がそんなにヘコむなんて、やっぱり昨日先生にひどく絞られたの?」

「昨日?」

友里亜に言われてやっと、昨日生徒指導室に呼ばれた身なんだってことを思い出した。

さらに、友里亜に言ってしまったキツい言葉も。

「そうだ、昨日は友里亜が説明してくれたお陰で無事だったんだ、ありがとう!

それより、ごめん、友里亜!!昨日言い過ぎちゃったよね、私。ごめんね?」

あんなに言いたい放題言っといて、友里亜の顔を見るまで忘れてたなんて。

重症だ、私。

「ううん。里花の言葉すごくいい薬になったよ。私、甘えすぎてたのかも。だから、ありがとう」

それなのに、ふんわり微笑む今日もキレイな女神。

「私ね、私……昨日山本先輩と2人きりで帰ったの」

「あ、そうだ、そうだよね?どうだった?」

「うん。でね、付き合おうかって……言われて。私勝手に、真剣には思ってくれてないって感じちゃってたけど、すごく真顔で言ってくれたからなんだか嬉しくて。

でね、まだよくわからないんだけど、気になるっていう気持ちをちゃんと伝えたら、それでいいから一緒にいようって」

「じゃぁ、付き合うことになったの?」

「……うん」

「うそ!すごいじゃん!」

「や、まだよくわからないんだけど、でも、素直な自分の気持ちを探したら、山本先輩ともっと話したいなって。

直人には、友達でいたいっていうのもちゃんと伝えたよ。直人を傷つけたかもしれないけど、でもそれは私の正直な気持ちだったから」