きみが突然会いにきた



あの電話から彼とは
アプリの中から抜け出して
番号やラインを交換して
毎日やりとりをしていた



わたしの電話帳には
リアルな彼の連絡先が
自然に追加されていた



もお、お互いアプリは
必要なくなっていた




その日、仕事が休みだったわたしは
いつも通り彼と連絡をとっていた
今日、仕事が休みだと告げると
彼は逢おうとすぐに誘ってきた



東京には出張で何度か
いってはいたが
慣れない街ではじめての彼と
会うことはやはり抵抗があった



冗談で彼に言った



東京は怖いから行かない
二時間かけて新幹線のっても
明日は仕事あるし
まだ信用してないから
騙されてきみが現れなかったり
危ない目にあったら嫌だもん
そんなに会いたいんだったら
いまから愛知においでよ



するとすぐに彼からの着信




キラキラした声をしていた




ほんとに行ったら会えるの?!
僕、もおすぐ学校終わるから
走って家に帰ってお金おろして
新幹線飛び乗るよ!
準備して新幹線の移動も合わせて
三時間後にはそっちにいるよ!
ちょっと待っててね!
僕、急いで行くから!




弾んだ声で彼はそう言うと
電話は勝手に切れた。




ほんとにくるのかな?
わたしはそお思ったが
まあ、地元まで来てくれるし
地元だったらなんとかなるだろう
なにより、彼の嬉しそうな声を聞いたら
すこしだけ会ってみても
いいかなと思ったのと
わたしも彼に会いたい気持ちで
いっぱいだった