その夜もなんとなく
携帯を開いてアプリで
誰かを探していた。



誰でもよかったけど
誰でもよくはなかった。



どおせなら魅力的な人がいい。



その当時流行っていたのは
チャットアプリだった。
仲良くなれば番号を交換せずとも
アプリ内で通話ができる。



チャットのお誘いがきた。
それが、何百人、何千人といる
アプリユーザーの中の一人の
きみだったんだよね。