「ほっ、とっ、と…」
菜美翔の鞄からメロンパンを持ち出して、美術室までの階段を駆け下り、踊り場を歩く。新入生は体育館、在校生はまだ春休み。当たり前だけど人は誰もいない。
…あたしも早く描き終えて帰ろう。
「あ゛っ!」
考え事をしていたせいか、メロンパンを掴む手を緩めてしまったらしい。
メロンパンはぽーんとあたしの手を離れ、あたしの頭の上の窓の枠に乗ってしまった。
「ふんぬぬぬぬ…!」
メロンパンを取ろうと背伸びして頑張る事数分。駄目だ…全然取れない…誰だチビって言ったの!
「もう…ちょっ、と…!」
メロンパンがゆびにつくまで、後1cm。頑張れ、あたし!
「あ、れ…!?」
もう少しで取れる、そう思った瞬間後ろから手から伸びて来て簡単にメロンパンを取って行った。なんだこの敗北感。
「これ、君の?」
「え、ああ、はい。」
あたしの以外にないだろ、正確には菜美翔のだけど…そんな事を思いながらメロンパンを持った相手を見る。
「そ。これ、欲しい?」
そこには麗しいお顔で微笑みながら、顔の横でパンを揺らす生徒会長…冴島優がいた。
菜美翔の鞄からメロンパンを持ち出して、美術室までの階段を駆け下り、踊り場を歩く。新入生は体育館、在校生はまだ春休み。当たり前だけど人は誰もいない。
…あたしも早く描き終えて帰ろう。
「あ゛っ!」
考え事をしていたせいか、メロンパンを掴む手を緩めてしまったらしい。
メロンパンはぽーんとあたしの手を離れ、あたしの頭の上の窓の枠に乗ってしまった。
「ふんぬぬぬぬ…!」
メロンパンを取ろうと背伸びして頑張る事数分。駄目だ…全然取れない…誰だチビって言ったの!
「もう…ちょっ、と…!」
メロンパンがゆびにつくまで、後1cm。頑張れ、あたし!
「あ、れ…!?」
もう少しで取れる、そう思った瞬間後ろから手から伸びて来て簡単にメロンパンを取って行った。なんだこの敗北感。
「これ、君の?」
「え、ああ、はい。」
あたしの以外にないだろ、正確には菜美翔のだけど…そんな事を思いながらメロンパンを持った相手を見る。
「そ。これ、欲しい?」
そこには麗しいお顔で微笑みながら、顔の横でパンを揺らす生徒会長…冴島優がいた。
