『悪いが消させてもらう』



いつまでも消えないその声は、ライを怯えさせるには十分すぎた




「いつ閉じ込めたのか、どうやって出て来れたのか………」



分からないとでもいうように、黙りこむ




「………確かに、出て来たみたいだね」



「コウ………」



コウゴルアスをそう呼ぶのはトーガ




「トーガとルバは北部へ、リトとミナは仲間を呼んで向かえ」




指示された獣達は、敬礼のようなものをするとすぐ森の奥へと消えて行った