「訊きたいことがあるんじゃないのかい?」

心の中を見透かした様にレイラが問いかける。

「いいの? 聞いても」

「ああ、そのために呼んだんだからね」

「じゃあ、じゃあ、あたしが知らない武のことが知りたい」

台座の上で二つのこぶしを握り締め、思い切ったように千華が言った。

その様を見て、楽しそうにレイラが目を細めた。

「どこから、どこまで?」

「全部」

「全部かい?」

「ダメ?」

様子を伺うように、千華がレイラを上目づかいでじっと見つめる。