「まぁ、仕方ないか。愛しの彼にやっと会えるんだもんね。

でもびっくりしたよ、まさか年下だとはね。

あんたももうすぐ二十四になるのに、若いツバメを囲うんだ」

「ちょっとやめてよ、変なこと言うの。

昨日も言ったけど、そういうんじゃないんだってば」

「はいはい、そうだね。ごめんごめん」

由加里はニヤニヤとからかうように笑ってレジを閉め、

「さぁ、オープンするよ」

草野球のキャッチャーのように叫んで、自動ドアのスイッチをオンにした。

今日、来てくれればいいんだけどな。

千珠は一度会ったきりの男の顔を思い出し、心の中でそっと呟いた。