「いや、それがねぇ、あんたを探してる人がいるらしいんだよ。

どうだい、知りたくないのかい?」

「どーいうことだ?」

ベッドの上に起き上がり、レイラの顔を探るように見つめる。

「コットンってバーがあるのは知っているだろ?」

「ああ」

「あそこのマスターから、たった今電話があってねぇ。

なんでも、あんたのことを探してるっていう女の子がお店に来たらしいんだよ。

それで『明日の夜、九時に店に来てくれないか?』って言われたんだけど、あんたどーする?」

レイラがいつもの、心の中まで見透かすような瞳で武の顔を見つめる。