「ねえ、探しに行かないの?」

ドアの隙間から顔だけひょっこりと覗かせて千華が訊いてくる。

ベッドに仰向けになってタバコの煙を見つめていた武は、

ちらりと千華を見てから窓の外に視線を向けた。

窓の外には雲ひとつない大海原が広がっていて、

その広さは無限のように感じた。

宇宙のように、そして止まることなく流れ続ける時間のように……。