「知らないって、どういうことなんだ?」

思わず、武は怒鳴ってしまう。

「別にいいじゃないか。あんたが選んだんだろ? 

四百年も探し続けて、それでその子に決めたんだろ? 

だったらそれでいいじゃないか」

武の怒りを宥(なだ)めるように、それでいて諭(さと)すように、

ゆっくりとレイラが呟いた。

「そうなのか?」

思わず武は訊き返してしまう。

「ああ、そうさ」

にっこりと笑ってレイラが言った。