「俺はな」

ジンが小さく呟いた。

「おまえのことを死んだ息子のように思っているよ」

「ああ」

「できたら親父代わりになりたいと思う」

「ああ」

「だから、俺でよかったらなんでも相談して欲しい」

鼻をすすってジンが言った。

「イヤか? こんな酔っ払いじゃ」

「そうだな。酒は減らせよ、長生きできないぞ」

「努力するよ」

「ああ」

「よし、じゃあ相談していいぞ」

飲み干したグラスを床に置いてジンが言った。

「もう十分だよ」

残ったグラスの中身を一気に流し込んで武が呟くと、

「まだ、何も聞いてないぞ」

ぼやくようにジンが言った。