レイラ、ジンと共に夕食を食べ終わった千華は、二人が寝静まったあと、ひっそりと武の部屋に忍び込んでいた。

最近の武は千珠って人に会いに行ってばかりで、ちっとも遊んでくれない。

きっとこのままでは、千珠に武を取られてしまう。

そう不安に思い、引き止めてはみたけれど、やはり武は行ってしまった。

そのうち武はこの家からも出て行ってしまうかもしれない。

ずっと一緒にいられると思っていたのに。

どうにかしなきゃ、そんなことを考えていたらいいことを思いついた。

武が大事にしている桐の箱に入った鈴。

あれさえ隠してしまえば、武はどこにも行かないはず。

そんなあさはかだが、効果的な方法を思いついたのだ。