「どうだ?」

武が訊くと、千珠は「似合うよ」と言って満足そうに笑った。

「なんだか、変な感じだよ」

武は布のない足首の辺りを擦りながら呟いた。

「うん、でもすぐに慣れると思うよ。気にいってくれてよかった」

「ああ、なんか悪いな。貰ってばっかりで。高いんだろ、こういうのって?」

「大丈夫、社割りで買えるから。その靴はね、由加里からだよ」

足元を指差して、千珠が言った。

「なんでも、この前のお詫びの気持ちだって」

「そうか。じゃあ、あいつにもお酒おごんなくちゃな」

「あはは、そうだね」

千珠が目を細めて微笑んだ。