「どうせなら、上から下までビシッと揃えたほうがかっこいいんじゃない? 

あの感じじゃ、ろくな靴も持ってないだろうしね」

「うん、いつもブラックジーンズにスニーカーみたいだったけど……」

「なら、なおさらだよ。靴の代金はあたしが持ってあげるから」

由加里が言った。

「どうせプレゼントしてあげるんでしょ? この前のお詫びに、とか言って」

「うん、そのつもりだけど」

「だったらあたしにも協力させてよ。元はといえばあたしのせいなんだし」

そう言うと、由加里が雑誌を何冊か持ってきてテーブルの上に載せた。

「さてと、じゃあ選びますか? あんたの選んだパンツにピッタリの靴をね」

由加里がふざけたように片目をつぶって見せた。