「ふーん、まぁ、いいけどね」

お店を閉めた後、バックルームで千珠の手渡したレポート用紙を眺めながら由加里が言った。

予想通り、由加里の顔には意地悪そうな微笑が浮かんでいた。

千珠は何を言われるかと、ビクビクしながら由加里の表情を見守っていたが、

由加里の口から飛び出した言葉は、どんな予想ともかけ離れたものだった。

「靴も選んであげれば?」

「えっ?」

思わず千珠は訊き返す。

「だってさぁ」

由加里が思い出すように続ける。