「あんたが、かわいいって言ってくれないから、心配みたいだよ」

「買うときに言ったぞ」

「ほんとにわかってないねえ。実際に着てからは言ってないだろ?」

「ああ」

「言っておやり、喜ぶよ」

ジンを見ると、うんうん、としたり顔で頷いている。

そういうものなのだろうか。

武は振り向いて、千華を見る。

大きなお盆に人数分のご飯と味噌汁をのせて、よたよたと歩いていた。