「なに話してたんだ?」

無駄だとわかりつつも、一応訊いてみた。

「それはねぇ」

珍しくレイラが答えようとすると千華が、

「なんでもないよ」

叫ぶように言って、どすんと大皿をテーブルに置いた。

武があっけにとられていると、ジンがニヤニヤと笑いながら、

「なんでもないんだとさ」

そう言って、千華ににらまれている。

武はため息をついて、椅子に座った。

すると隣にいたレイラが、千華が料理を取りに行ったのを見計らって、そっと耳打ちしてくれた。