赤い結い紐

あまりの急な出来事に何も言葉を返せずにいると、

「あんたの探し物じゃないのかい? 

一応、髪の毛は黒いから連れてきたんだけど」

雨で濡れた、染めたばかりの銀髪を手で大きく振り払い、レイラが捨て猫を拾ったかのごとく、

「後は好きにしな」

そう残して部屋に消えていったのだ。