千珠は久しぶりに由加里の家に来ていた。

武と会った次の日、お店は休みだったのだけど当然のように電話で起こされ、今から家に来るように、と言い渡されたのだ。

もちろん千珠自身も由加里に相談したいことがあったので、この誘いには素直に従い、

冷えた缶ビールの詰め込まれたビニール袋を提げて参上したしだいである。

毎日職場で顔を合わせているせいか、休みの日にはお互いひとりで過ごすことも多かったし、たまに一緒に過ごすときも外で会うのがほとんどだった。

二ヶ月ぶりに入る由加里の部屋は、最後に来たときとほとんど変わっていなかった。

わずかに変化を見つけられたのは、CDラックの中にCDが二枚ほど増えていることぐらいだった。