「千華、おまえ友達っているのか?」

灰皿でタバコを消して訊いてみた。

「いないよ、武とレイラさんとジンさんだけだもん」

「そっか」

頷いて、後ろに倒れこむ。

「どーして?」

千華が寄り添うように寝そべって、顔を覗き込んでくる。

「べつに。訊いてみただけ」

「ふーん」

千華は興味をなくしたように呟いて、武の胸の上で目を閉じた。