「なにしてるの?」

両手にペットボトルを持った千華が、ドアのあたりで不思議そうな顔をして訊いてきた。

「なぁ、千華。煙ってなんで消えちまうんだろうな?」

「そんなのあたしに訊いても、わかるわけないじゃん」

「まあ、そりゃそーだ」

武は納得したようにため息をついて、ペットボトルを受け取り一口飲んだ。

千華も隣に座ってウーロン茶を飲んでいる。

ウサギのスリッパの耳は、ご主人様の機嫌を表すかのように小さく揺れていた。