棚の上に荷物を置いて、冷蔵庫の中からウーロン茶のペットボトルを取り出した。

蓋を開けようと力を込めているのに、うまく開けることができない。

軽い苛立ちを感じ、ペットボトルをテーブルの上に叩きつけたい衝動に駆られた。

ただ、腕を軽く持ち上げたところで思い直して、ゆっくりと腕を下ろす。

椅子に座ってじっと食い入るように茶色の液体を見つめていると、シャッターの閉まる音がした。

どうしたんだろう?

溶けたアイスクリームのような頭の中でぼんやりと考えていると、由加里が腕を伸ばしながら歩いてきた。

「閉めちゃった」

イタズラっぽく笑って、由加里が頭を撫でてくれた。

鼻の奥にツンとしたものを感じ、気がついたら涙が溢れていた。

由加里は何も言わずに、やさしく微笑みながら頭を撫で続けてくれた。