「じゃあ、じゃあ、武は顔もわからない人を探してるってことなの?」

「ああ、そうさ」

「そんなの、見つけられっこないよ」

「そうかもね」

「なら、もう諦めればいいのに」

「そうもいかないのさ」

口元を歪めてレイラが言った。

「どうして?」

「どうしてもだよ」

「じゃあ、なんで武は四百年も生きていられるようになったの?」

千華が質問を切り替えると、レイラの口元に笑みが走った。

「見たいかい?」

その言葉に抗(あらが)えない力のようなモノを感じ、千華は小さく頷いた。

レイラの両手が再び、空(くう)を撫でる。

そこには……